寸鉄活人 (栄光百十八号)

○○が明るくなれば内が暗という地口(ジグチ)みたいなのが昔からあるが、之を現代に当て嵌めてみるとこうだろう、曰く、神界が明るくなれば魔界暗で、自由国明るくなれば赤の国は闇、親父の頭が明るくなれば、道楽は止み、とは如何です

今の世の中はあんまり悪い奴が多いので、腹が立つのを通り越していっそ愉快になるね、今に金魚じゃないが、アップアップ腹を出してみんな御陀仏と来るんだから、その片付け役には奉仕隊の諸君に今から頼んでおきますよ

日本人から嘘を除いたら、後に何が残る、知れた事よメシヤ教信者

僕は之程嘘の多い世の中に、嘘も飾り気もない、ありのままの自己を現わした、真実そのものを発見して愉快になった、というとそんな立派な人間が、現在の日本にあるかと訊くから、確かにあるというと、是非見せてくれというので新宿へ連れて行って見せてやったんだ、ストリップガールを

現在の役人の数は、戦争前より三倍という事で、花柳界のお客は、役人が一番多いそうだ、何と羨しいではないか、処が人民の方は、親子心中、強窃盗の氾濫、街に出ると骨皮痩衛門や、カンピンタンがウヨウヨ

社会党は実に正直だよ、講和使節など出すのは損だと逃げたんだろうが、成程国家より自党の方が大切だから無理はないよ、といったらサゾ怒るだろうが、拙者は其利口を賞めたんだから、怒る処か御礼を言って貰いたくないよ

(栄光百十八号 昭和二十六年八月二十二日)