寸鉄 (光新聞三十四号)

今問題の寄生虫は、腹の中より外の方が多いよ

人間の形をした寄生虫がウヨウヨしてゐやがる、之を退治するものが即ち浄霊である

彼手此手のユスリ戦術、もう種がないとさ

ユスリ君のおかげで、寸鉄も大分賑やかでした、お礼を言はないよ

大ユスリ、中ユスリ、小ユスリがあるんだから、面白い世の中さ

宗教も眠ってゐれば無事泰平だが、何かやり出すと、彼方からも此方からもブンブンいってくる虻、蜂、蚊ども

ヨクない奴ほど、ヨクがあり過ぎるとは之如何

一日一千万円の収入と聞いてユスリ屋、涎を流す事、流す事、猫に鰹節で、お気の毒でも何でもない

○○新聞は、面白くさえあれば何をかいてもいいらしい、いっそ漫才と落語をかいたらどうです

世の中で怖いものは、泥棒でも伝染病でも、税務署でも借金とりでもユスリでもない、新聞だ-とは一寸意外ですね

脛に疵のない宗教を狙ふんだから、流石のユスリ君もサゾがっかりだらう

(光新聞三十四号 昭和二十四年十一月五日)