寸鉄 (光新聞三十三号)

本教の一日の収入一千万円以上の新聞記事を見たユスリ君、アヽ羨しいな、何とかして奪れねえものかなあ

新聞の紙に裏表あるが如く、論説にも裏表あるが悲しさ

ユスリ君よ、君の創作的技能を以てすれば小説の大家になる事請合だよ

成程、新聞は自由になったもんだ、ユスリの手伝いまでするんだから

読売紙が喧嘩を吹っかけても痛くも何ともないよ、無鉄砲だから

宗教に向って筆の拳骨で喧嘩吹っかけるとは、文化的ヤクザでゴロツキなり、とは違いますか

あまくない人をあまくみる甘さ、意味が判るか

神様を舐める奴の舌は一枚じゃあるまい

神様をなめてかかったらあんまり辛いのでビックリして後足で砂をかけやがったアイツとアイツ

神様に向って躍起となって邪魔をするのはもう年貢の納め時が来たんだねつまり鼬(イタチ)の最後屁だよ

吾々に向ってブンブンという虻、ヤタラにヘイツクバるバッタ、騙しにくる狐、何でも噛りたがる鼠、遠くで吠える犬、屁をヒッカケル鼬、タカリたがる油虫、絡みたがる蛇、狡猾で油断の出来ない猿、向う見ずの猪、直に小便ヒッカケル蛙、糞壷にウヨウヨしている蛆虫、以上が、新版十二支で御座る

(光新聞三十三号 昭和二十四年十月二十九日)