近来、医学に於ては日本脳炎の原因は蚊の媒介としているが、之は全然誤りである。それに就て吾等の研究を発表してみよう。
日本脳炎の患者が子供に多く、統計によれば六歳乃至十歳までが最も多いとされている、又季節は晩夏から初秋にかけて最も多いという事を特に考慮しなければならない。処が、医学に於ては、恰度、蚊の発生と共に最も活躍する時機であるから蚊の媒介としたのも無理はないのである。又蚊を多数つぶして、それを廿日鼠に注射し、脳炎を発生したという研究の結果もあり、そう思ひ込んだのであらう。
然し吾等の解釈は全く異う。廿日鼠と人間は同一でない事は勿論、寧ろ人間と獣類とは反対の方が多いとさえ思へるのである。何となれば、神示の医学に於ては、日本脳炎の原因は余りにも明らかで、而も事実は一人の例外なく短期間に全治可能であるからである。たとへ事実蚊による伝染であったとしても、悉く全治する以上蚊などは問題とならない事は勿論である。依って日本脳炎の真原因を茲に説明してみよう。
抑々、人体は何人と雖も必ず先天性及び、後天性毒素を多少なりとも保有してゐる。毒素とは勿論毒血と膿である。処が、人体が何等かの刺戟を受けた場合、毒素は必ずその部に集注する。之を判り易くいえば、彼の灸点である。灸を据えるやその部が紅脹を呈し甚だしきは化膿さえする。又肉体を殴打(オウダ)や器物の衝戟による場合、必ずその部が紅脹を呈するのは前述の如く毒血が集注するからである。此理を推進めてみる時、日本脳炎の原因は容易に判るのである。
それは、子供が殆んど帽子を冠らず炎天下で遊ぶ、特に六歳から十歳位までは右の傾向が著しい、それがため頭脳が熱する、恰度、灸を据えると同様である。その場合人体の背部一円にある毒素が頭脳へ向って集注運動を起す。何よりの證拠は、発病と同時に両側延髄附近は棒の如く硬化し高熱が伴ふ。之は毒素が頭脳目がけて進行し、一歩手前に一時的集溜するからである、次いで毒素は小脳に向って侵入運動を起すや睡眠状態に陥る。
然し茲に問題がある。その際医療は必ず氷冷を施すから、此氷冷の作用で毒素は其部へ固まって了ふ、言ひ換れば、自然に治るべきものを治さないようにする事である。之は驚くべき誤謬で、何よりも、その場合本教浄霊をするや毒素は小脳から頭脳を通過し、両眼及び鼻穴から排泄し始めるからで、勿論重症程それが多量である。普通二、三日で出尽し、それと共に快癒する。実に簡単なものである。先づ一週間以内で例外なく全治するのである。其の結果発病以前より頭脳明皙となり、学童などは必ず成績可良となる。右は一点の誇張もなく事実ありのまゝの経路である。
然るに医学に於ては、予後、頭脳が悪くなり、軽度の痴呆症状や、手足の障害等、種々の禍根を残すので、おそれられるのである。之は何が為かといふと、前述の如く自然に排泄されるべく、毒素が小脳を通過せんとするや、氷冷で固めてしまふから固結は頭脳活動の障碍となるからである。実に現代医学の誤謬たるやいふべき言葉がないのである。
序でだから、脊髄脳炎も解説するが之は日本脳炎の一歩手前といってよく、毒素は延髄部だけに集注固結するのである。何となれば冬に起る病気でそれは頭脳を夏季の如く炎天下に晒さないからである。然し此の症状は延髄部が日本脳炎より固結甚しく、首の前後運動は全然不可能となる。といふのは日本脳炎の如く毒素が小脳に侵入されないからである。
以上によってみても、日本脳炎は蚊とは何等関係がなく、自然浄化作用である事を明かに知るであろう。
(自観叢書十 昭和二十五年四月二十日)