此の講座は観音講座としては最も眼目である。又特に平時から講習してあるから重複するのもあるが、我慢して聞いてもらいたい。
西洋医学の間違い、之を一般に判らせねばならんが、当局者の方では警戒しております。西洋医学の外はなく、これ以外には何物も出ないと定まっているので、我々の主張を入れない。非常にこの点困難だが、そうかといってそれを見ておられない。世間には病気にかゝり財産をなくし家族一般餓(ウエ)に泣く有様が現在なのであるから何としてもやらねばならん。
是を捨てて他山の石として見通すことは断然出来ないのである。非常時どころの問題ではないのである。
政治問題や機関説等より何十層倍肝腎なことだか判らんのであります。然らば西洋医学はどうして間違っているか。西洋医学は絶対に癒らんと言うことを前提としてお話する。西洋医学では癒らん所か、癒るべき病気を悪くしているのであるから世界的の大問題である。
此の事についての例は沢山ある。
神田の滝川病院で三つの赤ちゃんを麻疹と判り切っているのに百回以上注射し、日限は百日以上たっても微熱が下らんので之は肺尖が悪いと言っているが全然違っている。是は薬の中毒であるのを知らないのである。
観音力ならば十日かそれ程かゝらずに治り、呑気な人ならば放って置いても十日か廿日位で治らんことはないのに、金を何程使ったか判らぬと言ふ有様である。世の中で是を知ったら非常な問題である。是を観音様から知らされたり又色々で知ったのである。世に知らせ、医者に知らせて根本的に修業の行り直しをさせねばならん。
何故西洋医学は間違いか、という問題になるが、是は体的療法であるからである。人間を構成しているものは二つから成る。それは霊と体である。昔から陰陽二つで何事も成立っている。天あらば地、火あらば水、神あらば仏。
人間は体ばかりではないことは判り切った事である。霊が脱出するから死ぬのだ。西洋医学は体を本位とし、日本医学は霊を本位としているから反対である。病気の元は霊にあるのである。それを知らずに体のみを治すのであるから癒らんのは当然の事である。
神=仏 心=物 霊=体。
上記の如く嫌な事は結果であって、元は悪心からである。悪心を直さねば之等の結果は永久に止まぬのであることは皆様既に御承知の通りである。枝葉末節も甚しいことである。肺病なれば肺病の起って来たものを研究している。それには何か必ず元がある。其の根本を研究せねば治らんのは当り前である。
(昭和十年九月十五日)