左の記事は去る五月三十日の、朝日紙神奈川版に出ていたのであるが極めて慎重な審査の結果、結核容疑者十三パーセント強というのであるから、余り楽観できない実情である。最近日本における結核患者の死亡率激減したといって喜んでいるが、成程死亡率は減ったが、患者の数は少しも減らないとは当局者の言である。これに就いての理由は近々発行の「医学革命の書」の、結核に関する論文を読めば、充分納得できる筈である。
住民の十三パーセントが結核
鶴見工場街で結核調査
横浜市では厚生省、県と協力して去る二三日から四日間鶴見区大東町をパイロットスタディ(模範試験調査)地区として地区内の二六世帯一七六人を対象に結核患者の確実な数をつかむための精密な調査をしたがその結果病的所見のある者五四人と二九日まとまった。これは全体の三〇・七%で、内訳は要医療者一四名(全体の八%)要休養者四名(二・三%)要注意者五名(二・八%)古い病巣のある者三一名(一七・六%)また一家族から四名出ているのが二世帯、三名が五世帯、二名が一〇世帯となって家族内感染の高率を示している。
この試みは厚生省が結核予防対策の一環としてこの八月全国二二四カ所の住民に徹底的な検診を実施するに先立って大東町を工場地帯パイロットスタディ地区に選定したもの。なおこの調査には結核研究所長隈部英雄博士等結核予防会員、公衆衛生員、小児結核研究会員など関係学界の権威者二十数名があたり、老人から乳児に至るまでツベルクリン、直接撮影、間接撮影、医師の細かい診断喀痰検査など行った。
丸山市衛生局保健課長の話。
この結果は権威のあるものだが、これによると工場地帯の住民の一三%強が結核に罹っていることになる。樹木を多く植えて空気の乾燥を避けたり、もっと定期的に全員の健康診断を行うなど、健康管理を十分充実する必要がある。又満五歳以下の幼児が四人冒されているなど子供だからといって油断は出来ない。
(栄光二百二十号 昭和二十八年八月五日)