年頭の辞

先ず新年の所感としてここにかいてみたいことは、本教は信者も知る如く、年々というよりも一年経ただけでも、十年にも二十年にも勝る程の素晴しい発展を遂げつつあることで、恐らく宗教史上異例といってもよかろう。しかも開教以来数年そこそこの間にも、当局の無理解やジャーナリストの誤解等のため、何回もの受難に遭い、時には致命的とさえ思われるほどの危機に見舞われたこともあったが、不動の信念をもって乗越え乗越え堅実な歩みを続けて来たので、既往を顧みる時転(ウタ)た感慨に堪えないものがある。全く絶大なる神の守護でなくて何であろうと惟うとともに、その任の重且大なることも痛感せざるを得ないのである。

偖て生まれてから数え年七歳になる本教今年の予想であるが、先ず新春早々アメリカの羅府(ロスアンゼルス)及び布哇(ハワイ)ホノルルに支部を作る運びとなった事で、その為最も適任である樋口喜代子女史と外数人が往くこととなったのである。それから例の『アメリカを救う』著書も発刊され、日本文もそうだが英文に訳した方は少し遅れるが、これも出来次第アメリカ大統領始め同国有識者に配布する予定である。そうしてかねて知らしてある如く、この著の内容が空前の驚異的理論に、事実を裏附としてある以上、必ずや一大センセーションを捲起すであろうことも予想されるのである。

今一つは目下台湾に本部をもつ特殊的存在としての、彼の中国に生まれた新宗教、世界紅卍字会であるが、今回同教の懇請により、小田原別院の一部を使用させることになったので、いずれ同教独特の扶 (フーチ)も公開することとなろう。勿論このことも深甚なる経綸の一つであって、将来の期待をかけてよかろう。

次に熱海瑞雲郷地上天国であるが、これも着々進捗し、愈々メシヤ会館の大建築に着手することとなり、旧臘十六日地鎮祭が執り行われたのである。その他京都嵯峨野に於ける平安郷地上天国も、本年陽春の頃私は京郷に赴き、大体の構想を立案着手するつもりであって、ここに五、六、七の基礎的経綸は表面的になったのである。これ等によってみても如何に神意の具現が迅速正確に信仰しつつあるかであって、当然とはいいながら歓喜の極みと言うべきである。

(栄光百八十九号 昭和二十八年一月一日)