症状としては、肛門の内部又は深部に膿汁の為に瘻穴が一個乃至数個作られ、其穴から絶えず排膿されるのです。
無痛と有痛とありますが、有痛の方が悪性で非常な激痛のもあります。又悪性は糜爛して瘻穴の所在さへ判らぬ位であります。
原因は、脊髄カリエスの膿が下降して、肛門から排泄されるのであります。
痔瘻が治癒すると、肺結核になり易いといふのは、右の排膿が閉塞される為、排泄口を肺臓に求めるからであります。
本療法によれば確実順調に全治するものであって、軽症は一、二週間-重症は二、三ケ月とみればいいのであります。
(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)