次に、胃下垂でありますが、原因は、消化薬を服みつつ柔い物ばかり食ふから胃が弱る。それで緊張が無くなるから弛緩し、下垂するのでありますから、「人為的製造病」であります。然し、胃下垂と言って来る患者で、事実下垂のものは十人に一人位であります。それは、実は、水膿溜結の大きいのが胃から腸の部分にあるので、それが下垂のやうに見えるのであります。
此症は、本療法で溶解すれば、一、二週間位で簡単に治るのであります。
又真の胃下垂は、食物の改良-即ち普通米飯食になし、薬剤を服まなければ短時日に治るのであります。
(岡田先生療病術講義録 昭和十一年七月)