竹内四郎氏外との御対談(一) 日本の使命

明主様 もう一つはこういう事も言いたいのです。講和以前には言いませんでしたが、民族では日本人が一番優秀なのです。これは事実を見れば分りますが、日本人くらい世界中の文化を吸収できる国民はありません。以前に一寸した小さな講演会で話したことがありますが、日本は自動車の組立工場と思えばいい。フォードでは部分品を各工場に作らせて、それを本社に集めて来て組立てて売出すということですが、それが丁度日本だと思います。アメリカの文化、イギリス、ドイツの文化、東洋でも、中国、インドの文化などがみんなはいって来て、それを組立てて立派な文化をつくるというのが、日本の使命だと思います。その使命を果す民族が日本人とすると、日本人が一番偉いということになります。ところが今迄は、各国の部分的の文化を見て感心していたのです。それは機械的なものはアメリカには迚も敵いませんし、又英国の社会主義を見ては感心するとか、フランスの芸術面に於ける絵画、文学に頭を下げていたのです。今後はそういう各国の特長をとり入れて、それを綜合した理想的な文化をつくるのが日本人なのです。それはこれからそうなるのです。ですから今迄の日本はその準備行為でしょう。そうして第三次戦争が済んでから、急にそうなってくるでしょう。日本人の素質は将来そういう使命があるのです。又日本人位各国の文化を消化できる国民はありません。大体、東洋というのは精神文化で、西洋は物質文化です。東洋は経で西洋は緯です。それを結ぶ時期は今言った通りでその結ぶ国は日本です。それで日本に於ける結びは救世教がやるのです。救世教のバッジは十の字なのです。この赤い丸は日本を象徴し黄色いのは黄金時代というわけなのです。なにしろ日本人は劣等感が非常にありますからね。

竹内氏 終戦後は特にひどいですね。

明主様 そうです。だから「アメリカを救う」という本を出したのは、その狙いもあります。「アメリカを救う」と言うのですからアッチより上の立場になるのですから、少しは刺戟するだろうと思います。アメリカは結核が非常に多いのですが、菌に対することもすっかり書いてあります。菌が伝染するから殺さなければならないというのが医学の建前ですが、われわれから言うと幼稚なものです。それは菌が伝染するとしても、その最初の菌は忽然として出来たものではなく、発生源というものがある筈です。それが医学では分らないのです。それで黴菌というものは何処で発生して、どういうように進むかという経路を書いてあります。

竹内氏 これからは、あなたのような方に考えを出して戴いて、そういうことでも大いに日本に呼び掛けていただきたいですね。

明主様 そのつもりでいます。

竹内氏 そうしていただきますと、日本の国民も自信を持って来ますから大変いいことですね。

明主様 日本は、社会がすっかり汚れきっているので、これを取って磨けば大したものです。丁度ダイヤモンドのようなもので、八角形にでも切って磨けば素晴しいものになりますが、川から出したままでは駄目ですからね。

竹内氏 終戦直後は朝鮮人が威張っていて、朝鮮人になりたい様なことを言っていた人もありましたが、こういうことを言っては悪いが、今では李大統領が来ても鼻もひっかけない状態ですが、あの頃からみますと違って来てますね。

明主様 そうですね。それは日本人はそういう使命がありますから、戦争後苦しんだことによって大いに磨かれたのです。

竹内氏 私の方の新聞であなたの声を時々伝え度いと思いますが、いろいろ御協力願い度いと思います。

明主様 骨折りますよ。とに角今迄の文化が間違っていたということもすっかり、はっきりさせたいと思います。それには一人でも余計に読ませなければ分らないのですから、将来それが呼物になって、報知新聞が大いに売れるという位にならなければならないと思います。私の説など容れると問題になりますから、問題になればみんな読みますからしめたものです。結局なんでもそうですが、社会の問題になるということが一番です。それはくだらないものでは一時的で駄目ですが、本当のものなら簡単に早く知れますから、どこまでもいい意味の問題ですね。

小坂氏 明主様は最近、そのいい意味での問題になりつつあります。といいますのは、東京での救世教に対する見方が、三年前と今とでは殆ど変って来てます。今迄は色々な誤解がありましたが、今では社会に貢献するところがあるということが分って来たのです。つまりプラスの面が分って来たことから、救世教に対する社会の見方が変って来たのですね。ですから新聞でもそういう点を研究して取り上げてみたいと思っております。

(昭和二十八年一月二十八日)