寸鉄活人 (栄光百四十七号)

今は喧嘩時代だ

曰くソ連と米国、中共と国府軍、英国とイラン、埃及、自由党と社会共産党、保安隊と共産党、警察と大学、亭主と女房、彼奴と彼奴、メシヤ教と○○、○○と○○、アゝ何が何だか分らなくなって来たからよそう

改進党を首無し政党というが、それ処か無いものだらけだ

曰く金無し、腕無し、碌でなし、力も目も無し、肚も無し、甲斐性なしの意気地無し、ヅクなし智慧なし元気なしと来ちゃ、到底見込なしだから、芽の出る筈もなし、頭の出来る訳もなし、勿論内閣造る見込も、天下を取る当もなしの、ないないづくしの情なし

只有るものは愚痴と涙と溜息ばかり、まだあるまだある、山のような借金と、嬶のヒスに伜の結核、娘の家出にお妾の愛想づかし、執達吏の御入来とは、何とマァー、御気の毒で、お可哀想で、御同情をして上げた…くはありませんよ、ハックショイ

改進党は首無し政党とすりゃ、社会党は胴なし政党だよ

見給え右と左の二本足ばかり、而もイザリとあって、アッチヘフラリ、コッチヘフラリで、暗中茂三苦とはイヤハヤ、ムニャムニャムニャ

よく考えてみると、薬で病人をドシドシ作って呉れるのだから、メシヤ教は大繁昌なんだよ

全く薬の御蔭だから、薬を神棚へ上げて、朝晩南無薬大明神様、有難や嬉しや、クシャクシャクシャと、拝み奉るのが本当だと、チットモ思わないよ

(栄光百四十七号 昭和二十七年三月十二日)