寸鉄 (栄光九十七号)

大本教の御筆先に曰く“今に此世に神があるか無いかを見せてやるぞよ”とある、又“肉体そのままの生神が現われて、世の立替えを致すぞよ”ともある、又“怖さ故の改心は間に合わんぞよ”とも言われている、何と寸鉄、人を刺すが如き名文ではないか、アナ恐ろしや、アナ有難や、アナ畏しや、すると誰かが穴入りたやというから、よく見れば、ナーンだ、無神論者か

今や医学と結核菌との闘争時代なんだ、偖て、どっちが勝つだらうか、どうも結核菌の方が強そうだ、ハッケヨイヤ

五尺何寸の人間が、一粍の何万分の一の黴菌にしてやられるとは、万物の霊長様も、黴菌以下という事になるね、どうです、人間様、之でも威張れますか

僕は原子爆弾より、結核爆弾の方が恐ろしいよ、何故かって当り前よ、目にも見えず音もしないんだから、屁よりも始末が悪いからね

結核菌以下の人間が、理屈を言って威張っているんだから、やりきれないよ

結核菌と人類の闘争、人間の方が、日に月に敗北しつつあり、今に地球は、人間が一人もなくなり、色々な黴菌がウヨウヨしている世界になるんだとさ

(栄光九十七号 昭和二十六年三月二十八日)