寸鉄 (救世六十五号)

新聞が嘘をかかなくなってからが、本当の民主日本とすれば、そうなるのは、先づ孫の代だろうよ

嘘を本当らしくかく技術、これが出来なくちゃ、新聞記者は飯が食へないんだとは、ナール程、判って判らない

大新聞が嘘をかき、小新聞が嘘をかかないとは、之如何に答、大物がズルイ事をし、小物が正直であるが如し

寸鉄のネタが無くて困っていた処へ、有難や朝日殿、見参とは殊勝で御座る、褒め遣はさないぞよ

新しい病気を発見したよ、曰く、神様恐怖症

メシヤ教位、怪しからん宗教はない、何しろ、悪を懲らし、善を勧めると言うのだから、フザケていやがる、とは、或日悪魔と悪魔とが話し合っていたとさ

新聞は、嘘を書かないと売れないそうだから、如何に日本人は嘘が好きだか判る事が判らないんだ

再建日本のモットーは、左右両派の弾圧よりも、伝染病退治よりも、減税よりも、官吏の涜職全滅よりも、モット肝腎なのは嘘退治だね、特に新聞屋の

危い、危い、官主主義が再び頭を擡(モタ)げそう、桑原々々祓ひ給へ浄め給へ

(救世六十五号 昭和二十五年六月三日)