統制経済とは、大喰ひの奴に少く食はせ、小食の人間に鱈腹食はせる事--酒も同様である。つまり差別のある様に人間を造った神様に対する挑戦だ。
共産主義とは、労働者を優遇するように見せかけて天下をとり、一転して労働者虐待主義となる。之を一言していえば優遇虐待主義といふ訳だね。
真理は単純であり、逆理はややこしいとすれば、凡そマルクスの資本論位ややこしい理論はあるまい。
日本には最早日本画が無くなった。それに代って塗抹画といふ絵具細工の新美術工芸品が出来た。之は貿易品には好適だろう。
学校は物の理だけ教えるが、理外の理は教えない。処が世の中は理外の理でなくては渡れない。
日本はやたらに規則を作る、折角淀んだ水底の芥を掻き廻すようなものだ。
近頃、西洋人の西洋画も無くなった。その代りデカデカに主観の幽霊を描いた工芸品が出来た。
僕は社会主義よりも、社会正義の方が好きだ。
社会党の右、自由党の左といふのは、酒も飲むし、餅菓子も食ふという両刀使ひで、洵に以て結構な主義ではある。
民主主義と封建主義とに挾まっている。サンドウィッチ国日本よ。
政党の敵は誰だ、曰く検察官だ。
右へ傾くのも左へ傾くのもいけない、中道を行くべしといふは、民主党とそうして自動車の運転手だ。
とは物価騰貴を抑制する為じゃない、物価下落を支える為だ。
インフレ昂進の政策をとるのが政府で、インフレ抑制の政策をとるのが人民だ。
僕の一番知り度いのは、解散後、総選挙の運動費を如何にするかといふ事だ。
狡い奴を取締るズルイ奴を、また取り締る、ア丶ややこしい。
役所が殖える、役人が殖える、閑がふえる。閑塞げに規則でも作るかな--とは何の事だか判らない。
第一が自分、第二が党、第三が人民とは、チト悪口が過ぎるかな。
日本は喘息患者だ、セキタンでサンザ苦しんだ揚句、ゼイゼイいって苦しんでゐる。
性教育とは、秘密の暴露の合理化で、ナンセンスものだね。
僕は栄養のある不味い物より、栄養のないうまい物の方が好きだ。それで素晴しい健康であるとは、栄養屋さん如何です。
大いに家を建てろ、だが材木はやらないよとは一体何の話だ。
ゴロツキ、ペコツキ、ドクツキ、ウソツキ、此汚名から脱せよ。地方新聞。
ゴロツキ新聞、文化的ヤクザ、民主的封建主義、お賑やかなこと。日本。
(地上天国一号 昭和二十三年十二月一日)