信仰雑話

信仰雑話

結論

此著を読了された読者諸君の感想はどうであらうか。忌憚(キタン)なき批判を聞きたいと思う。私が此著を書いた目的は随処に見らるゝ如く、此混沌たる世相に対し、確固たる宗教的信念を植付け安心立命の境地に導かんとする事であって、小にしては個人の幸福か...
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宗教と科学

宗教と科学とは今日迄別個の存在のように扱われて来たが、之は大なる誤りである。実は万有は科学に漏れるものはないと共に、宗教に関係のないものもない。何となれは科学と雖も、宗教とは切っても切れない存在だからである。それに気付かなかったという事は、...
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人間の賢愚

人間生れながらにして腎愚があるのは如何なる訳であろうか。之に就て解説してみよう。それに就て前以て知らなければならない事は、人間は一度は必ず死ぬが、死とは何ぞやという事であるが、死とは実に老癈したり、大負傷したり、病気の為衰弱したりして、その...
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霊線に就て

霊線、という言葉は今日迄あまり使われないようである。というのは霊線というものゝ重要性を未だ知らなかった為で、空気より稀薄な目に見えざるものであったからである。処が人事百般、此霊線による影響こそは軽視すべからざるものがあり、人間にあっては幸不...
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善と悪

世の中は善悪入り乱れ、種々の様相を表わしてゐる。即ち悲劇も喜劇も、不幸も幸福も、戦争も、平和も、其の動機は善か悪かである。一体どうして善人もあれば悪人もあるのであろうか。此の善悪の因って来る所の何か根本源因がなくてはならないと誰しも思うであ...
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夫婦の道

近来、見合結婚が良いか、恋愛結婚が良いかは、相当喧しく論じられてゐる。然し乍ら之を霊的に解釈をする時は、どういう訳になるかを説いてみよう。我国は都会は固より如何なる山間僻地と雖も、必ず鎮守様即ち産土の神様が鎮まりゐます産土神社又は氏神様があ...
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我と執着

凡そ世の中の人を観る時、誰しも持ってゐる性格に我と執着心があるが、之は兄弟のようなものである。凡ゆる紛糾せる問題を観察する場合、容易に解決しないのは、此我と執着に因らぬものは殆んどない事を発見する。例えば政治家が地位に執着する為、最も好い時...
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夢に就て

私は夢に就てよく人から質かれるので、茲に語ってみよう。凡そ人間と生れて夢を見ない人はあるまい。然し単に夢といっても種々(イロイロ)ある。ザット種類を並べてみれば神夢、霊夢、雑夢、正夢、逆夢等であって、神夢とは神の御告げであり、霊夢とは守護神...
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酒と宗教

飲酒と宗教は大いに関係がある事は余り知られてゐないようであるが、之に就て説明してみよう。普通量の飲酒は兎も角、大酒癖は霊的原因に由るのである。というのは大酒家の腹中には天狗、狸、稀には龍神の霊もあるが、それ等が、蟠居し酒を嗜むのである。腹中...
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順序を過る勿れ

昔から「神は順序なり」という言葉があるが、之は凡てに渉って重要事であり、心得おくべき事である。先づ森羅万象の動きを観れば分るが、総て順序正しく運行されてゐる。四季にしても、冬から春となり、夏となり、秋となるといふように、梅が咲き、桜が咲き、...