先般七月十七日及び十八日に亘り、ラジオ放送及び東京新聞をはじめとする各新聞紙上に大々的に報道せられたる、埼玉県児玉郡上里村の「同村における本教信者が赤痢患者であったにもかかわらず、そこに他の信者が集合会食せる為、二十一名の真性赤痢が発生し、内一名は死亡した。然も狂信の信者達は医療も消毒も拒否した」云々の記事は、痛く世上の耳目を刺戟し、各方面に御迷惑を御掛けしたる向もあるやと承り、誠に遺憾に存ずる次第であります。
右に就いては、当本部においても係員出張実地調査したる処、事実に相違せる点も多くあり、非常に誇大に誤報され、ことに赤痢菌が、本教信者によって蔓延せしめられたかの如き印象を与えたるは、誠に残念に存じます。
本教においては常にかかる誤解の生ずる事なきを期し、各大中教会、支部を通じ、又本紙及び地上天国誌を通じて注意を促し、苟も法治国民として国法の定むる処に従い又法定伝染病等に対する心構えについては、慎重の上にも慎重を希望している次第でありますが、薬毒に関して充分その害を知る信者としては、不知不識の間に、何時の間にか逸脱の虞(オソ)れなしとせず、以て不測の事態を引起すが如き事あり、本教の発展にも影響する処あるが如きは、明主様の御慈みに対しても誠に申訳のない事であります。
何卒信者各位の慎重なる御配慮を希望する次第であります。
(昭和二十九年八月十八日)