著述編

寸鉄

寸鉄活人 (栄光百三十九号)

愈々昭和廿七年の元旦だ、今年こそウントやるぞ、腕にヨリをかけてやるぞ、誰にも負けないようにやるぞ、何をだウン、パチンコだあゝ恋しい、恋しくてしようがないワ、アチラは遠いので汽車賃がかゝるけど、どうしようかしら、お母さんお小遣呉れない、母曰く...
寸鉄

寸鉄活人 (栄光百三十八号)

世の中の奴はみんな馬鹿ッ正直で、食うや食わずで苦しんでいやがるのに、俺の方は人の目を巧く誤魔化すので、賄賂の金はシコタマ入り、美味しいものは喰放題女は選り取り放題、酒は飲み放題というんだから、何と俺達は利口者じゃないかエッヘン、ア丶いい気持...
寸鉄

寸鉄活人 (栄光百三十六号)

昔の諺にある立てば芍薬(シャクヤク)、座れば牡丹、歩く姿は百合の花というのをもじって、近頃は立てばパチンコ、座れば麻雀、歩く姿は競輪行というのが出来たそうだが、今度拙者は斯ういうのを作ったそれは立てば窓口、座れば待合、歩く姿は御役人というの...
寸鉄

寸鉄活人 (栄光百三十五号)

考えてみると、今は虫の天下だね米の減産も虫の為、結核蔓延も虫の為、役人の腐敗も腹の中の虫の為、だから斯んな虫は残らず焼いて灰にして了えばいいんだ、火素でね-誰だ、虫ケラ人間は石油をブッカケて焼きましょうかと訊く奴は日本は何と広い塵溜である事...
寸鉄

寸鉄活人 (栄光百三十四号)

日本の農民、今や全国一面の農地を戦場とし、総動員で大戦争をやっているが、敵はウンカの如き大軍を以て押寄せ来り、今や敗北に垂んとするという味方の情報を聞いて、吾晏如たる能わず、今直ちに援軍を送らんとす。さすれば勝算歴々たるなり。而して敵の大軍...
寸鉄

寸鉄活人 (栄光百三十三号)

信仰の妙諦は、一切お任せする事だというと、それは有難い、俺はトーからやっているよ、女房と伜に万事任せきりなんだから、安心なもんだよと言いたいが、実を言うと嬶には怒鳴られ、伜には馬鹿にされ、毎日泣きの涙でヤット生きているんだとぬかすので、此馬...
寸鉄

寸鉄活人 (栄光百三十二号)

今は停電時代でみんな困っているんだが、不思議や喜んでゐる階級があるので、訊いてみたら、ローソク屋に、ダンスホールに、コソ泥に、彼氏と彼女とは、ナール程日本は電力不足だというのは、水力電気の水が足りないからだという事は、雨が降らない為だという...
寸鉄

寸鉄活人 (栄光百三十一号)

昨今BCGが問題となって、政府は当分止めろという、処が、今にストレプトマイシンも、オーレオマイシンも、パスも、ペニシリンも、其他何も彼も禁止となるのは知れた事だ、としたら無薬時代が来るに決っている。其次に来るものこそ病なき時代なんだそこで初...
寸鉄

寸鉄活人 (栄光百三十号) 

何処も彼処も不正、誤魔化し、遣い込み、涜職、詐欺等々出るわ出るわ、此奴等はみんな此世に神なんかあるもんかという利口者なんじゃぁない、馬鹿者なんだよ処が此馬鹿を造るのが現代インテリなんだから、馬鹿製造業の何と旺んなる事よだ、というと此方を馬鹿...
寸鉄

寸鉄活人 (栄光百二十六号)

今の世の中で怖いものの親玉は、何といっても役人の鎧を着て、法律の武器を振廻す鬼共と、病気製造業者と、官許殺人業者、結核増産会社、無神ジャーナリスト、舌の暴力者なんだ、其奴等と戦うんだから大変なもんだよ、だから拙者は世界一の大英雄、古今の大偉...